明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
毎年お稽古はゆっくりスタートの私ですが、今年一年のお花計画をあれやこれや考えているところです。
お正月にレッスンでご用意した花材の「菊」は、我が家でもまだまだ楽しんでいます。お正月の花選びは花持ちは絶対!菊は秋が見頃ですが、中国では菊花茶を飲んで健康に役立てたり、長寿の花とも言われ、縁起の良いお花としてもお正月に相応しいと言えますね。
子供の頃、祖父母の家にお年始のご挨拶という名の、お年玉おねだり訪問の際、宴会のお料理が並べられる前の、人気のない和室をこっそりと覗くのが好きでした笑。子供ながらに、襖を開けた時の凛とした張り詰めた香りと、着物箪笥の白檀の落ち着いた香りは、一瞬で大人の気分にしてくれたのを思い出します。
少しツンとした香りは、今思うと、和室の床の間に生けてあった菊の香りだったんだと思います。菊にはカンファーという少し刺激のある頭をスッキリさせる香り成分が入っています。それと着物箪笥の引出しに入れられていたに香り袋、これは白檀(サンダルウッド)ですね。白檀は心を落ち着かせる効果があるそうで、そこに畳の香りも混ざって、一瞬で大人の気分になった訳です。
香りって一瞬で気分を変えられるから不思議。今月は、菊の精油はそもそもないのですが(ないのかな?)、凛として落ち着いた香りをブレンドしてみようかと思います。レッスンの際に楽しんで頂けるといいな。
お花の話に戻りますが、今回、特に拘ったのは、白いスプレータイプの糸菊「古都の夢」。この控えめなのに華がある、清楚なのに存在感大の白い花に一目惚れで最初に仕入れました笑松と白い糸菊とナナカマドの赤だけでも十分華やかなアレンジになったかと思います。
これは農家を営んでいた母方の祖母の話、ご本人は農作物の生産者でしたが、菊が大好きで、毎年「菊まつり」(札幌で開催)に一緒に連れて行ってもらっていて、5歳くらいだったのかな…私にとっては自分の身長よりも背の高い菊。葉と茎とガクを愛でる5歳。残念ながらその記憶しかないです笑あとは、やはり普段から着物をよく着ていた祖母と菊の香りが今でも記憶にあります。香りってすごいですね!
また話が香りの方へ逸れてしまいましたが、糸菊が美しいという話でしたね。あの細い花びらと、その先端のカール具合がなんとも美しく、花びらの先端が重たそうにしなっている感じもよくて。華奢な姿でいながら凛としていて。香りは残念ながら弱いんです。
中国が原産の菊ですが万葉集では詠まれていないとか、違う名だったとかいう話は有名ですが、日本でも菊の品種改良が盛んに行われたのは江戸時代だそうで、糸菊がいつ頃からあったのかわからないけど確か、金屏風に描かれている白い菊の中には糸菊は見当たらなかったと思います…
その頃ヨーロッパにも中国から入ってきた菊を、ルノアールやモネも沢山描いているんですよね。その様子から、その頃流行った、オシャレでイケてる花だったことが分かります。絵画に詳しいわけではない私でも、ルノアールの「菊の花束」はどこかしらで見たことあります。
ヨーロッパでは菊の花の捉え方が日本とは大きく異なるそうで、普段使いでマムのブーケを飾ったり贈ったりはありなんです。喪の時も日本のような三方見のものではなく、丸いラウンドにアレンジされていたものを市場で見かけました。品種改良されたマムは、華やかさ、可愛さ、他の華やかな花に劣らず素敵です。
これからは、マムをもっと素敵にアレンジに取り入れていきたいと思います。花持ちも最高に良いし、これはもう好きになりますね♡